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第2回 ヒット商品はデータベースから生まれた

新商品開発のきっかけ

ビジネス支援の一環で、新商品開発に携わることも多いのですが、開発の現場で強力なツールとなっているのがデータベースです。今回は、データベースから生まれたヒット商品「スポーツ弁当」(2003年)を紹介したいと思います。
きっかけは、スポーツ栄養士のこばたてるみさんと出会ったこと。当時、プロのスポーツ選手が専属の栄養士をつけるのが広がっていた頃で、私の頭のなかには「スポーツ栄養士とは、専門性の極めて高いスペシャリスト」という認識がありました。そんな希少性を活かして何か新しいことが仕掛けられないかと考えたのです。

データベースで情報収集

  • スポーツ栄養士こばたてるみさんと商品開発

「何か」を検討するうえで活用したのが新聞記事データベースです。まず「スポーツ栄養」のキーワードで過去15年までさかのぼって検索。200件以上ヒットした記事の見出しのみをチェックし、気になったものはプリントアウトして本文を読んでいきました。そこで重要なことに気づきます。記事に登場するスポーツ栄養士の名前を検索すると、こばたさんの登場頻度が上位5人に入っていたのです。こばたさんは日本を代表するスポーツ栄養士の一人だという事が客観的データからも明らかでした。新ビジネスを展開するうえで企業とのコラボレーションを考えていた私は、これは有効なデータだと確信しました。

国体で大ヒット「スポーツ弁当」誕生

  • 「スポーツ弁当」

さらに、スポーツ栄養学を盛り込んだ既存商品を調べると、「ウィダーinゼリー」のようなゼリー飲料、「カロリーメイト」のようなブロック型栄養調整食品、ほかにサプリメントぐらいに限られており、主食となる商品は見当たりません。こばたさんに報告すると、「かねがねスポーツ栄養学を盛り込んだお弁当があればいいのにと思っていた」と言うではありませんか。さらに調べを進めていると、大量製造型の弁当で、明確な栄養学的コンセプトを盛り込んだものは存在しませんでした。
これだ!私はひらめきました。全国にアスリートはたくさんいますし、運動を習慣にしている人も増えています。そこで生まれたのが、スポーツ栄養士が考案した「スポーツ弁当」でした。この商品は2003年開催の国体で販売され、10日間で3万食を売り上げるヒット商品となり、その後の“コンビニ弁当”に大きな影響を与えたといわれる新商品となりました。

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