イノベーションを実現する思考サイクル
ビジネスパーソンにとって「情報」は、新商品開発、新規顧客開拓などイノベーションを実現するために欠かせないツールです。私は、中小企業や起業家のビジネス支援を行っていますが、そのアイデアの源は、すべて日々絶え間なく収集している「情報」にあります。なかでも新聞記事データベースは、圧倒的な情報量で最短・最適のアイデアを導き出せる強力な武器となっています。
データベースを使って、どのようにイノベーションを実現しているか。私が日々実践している思考サイクルは次のとおりです。
「情報収集」→「調査・分析」→「知識」→「知恵(イノベーション)」
インターネットが普及した現在、情報を集めるだけなら誰でもできます。しかし、それでは事実の断片があるだけ。集めた情報をどう読み取り(調査・分析)、知識を知恵に変えて新しい価値(イノベーション)を生み出していけるか。そこまでできてはじめて「情報を活用した」ことになるのです。
「ヒットの法則」が見えているか?
- 「トクホ」でコーラ飲料市場を開拓した
「キリン メッツ コーラ」
一例で説明します。あるときコンビニで「キリン メッツコーラ」が目に留まりました。表示に脂肪吸収抑制効果がある「特定保健用飲料」とあったからです。コーラ飲料はコカ・コーラとペプシの2大ブランドで占められた特異かつ年間3,000億円以上売り上げる巨大市場。そこにトクホで勝負をかけるのかと驚いたのです。
さっそくデータベースで調べる(情報収集)と、「発売2日で年間販売目標の5割を突破」など大ヒット商品であることがわかりました。次に、なぜ売れているかを考えます(調査・分析)。データベースでさらに深掘りすると、トクホでありながら、コーラ独特の刺激と爽快感があり、健康を意識する30〜40代の男性を中心に受けているというのです(知識)。
つまり、「コーラなのに健康的」という、これまでになかったコンセプトが成功したわけです。そこから、「新規参入がむずかしい市場にも空白がある」という結論(知恵)が導き出せます。このように情報を知恵に変えることができれば、「ヒットの法則」が見えてくる。こうした知恵の蓄積を、ビジネスのイノベーションに結びつけるのです。
- ミーティングでビジネス戦略を練り上げるf-Biz のスタッフ