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第5回 災害時の広報戦略

2015年5月静岡新聞掲載広告から転載

報道の集中と義援金の関係

東日本大震災では、取材者がアクセスし易い地域や早期にインパクトの高い被害状況を取材できた地域など、特定の市町村に報道が集中した。図1は、東日本大震災における人的被害と報道回数の関係である。これによると、人的被害と報道回数の関係性は弱い。つまり、人的被害が同規模であっても報道回数に極端な差があることを示す。一方で、義援金と報道回数の関係を見ると、強い相関が見られる(図2)。つまり、被害の程度に関係なく、報道回数が多いと義援金が集まりやすいことを示している。

報道される側の姿勢

報道される側の市町村の姿勢も大切である。特に、発災時には災害対応の最前線で指揮を執る市町村長の役割は重要である。平時から地域の状況をアピールする場として、マスメディアを戦略的に活用していなければ、災害時の混乱した中で、地域に防災対応上、有利に働く発言はできない。

首長のマスメディアの活用状況

「静岡新聞データベースplus日経テレコン」を使い各首長がどの程度、取り上げられているのかを把握する(図3)。
これによると浜松市長が最も多く取り上げられており、静岡市、袋井市と続く(記事数A)。在任期間との関係を見ても、長期に在任しているからといって記事数が多くなる傾向は見られない(在任日数B)。これは、4,533件の浜松市長と同程度(約3,000日)の在任期間の首長は他にも多い。浜松市は多くの話題があるため報道件数も多くなるとも考えられるが、積極的に発信していることも事実である。袋井市長と東伊豆町長も在任期間が同程度であるが、それぞれ2,032件と216件で約10倍の差がある。
また在任期間中、一日平均で取り上げられている記事数を見ると(A/B)、川根本町長は記事数としては697件で中程度であるが、一日で見ると1.2件とほぼ毎日取り上げられていることが分かる。逆に、例えば記事数が3番目に多い袋井市長は、0.6件と2日に1件のペースとなり、順位が低下する。

広報戦略の立案

災害時、被災市町村はマスメディアと効果的に連携し、現象先取りで被害状況を発信することで、迅速かつ適切な災害対応ができる。例えば、地域の基幹産業が観光業の場合には、早期に適切な情報を発信することで風評被害を発生させないようにすること、逆に観光客がこれを機会に増えるようなプラスの効果を発揮する情報も発信できる。そのためには、平時から広報戦略を意識するとともに、災害時の広報のあり方も事前に計画する必要がある。

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