日経テレコンで見直す与信管理の体制づくり
2023年7月24日
企業の重要なリスクマネジメント「与信管理」をどのような基準で行っていらっしゃいますか?
与信管理体制が確立されていないことで、取引先の経営悪化に気づかず入金が遅延したり、さらに会社の業績が順調であっても大口取引先が倒産したとなれば売掛金などの債権を回収できずに自社の資金繰りが悪化し、連鎖倒産へとつながることもあります。そのような債権を回収できなくなる信用リスクに備えるには与信管理の体制づくりが不可欠ですが、「社内の与信判断基準があいまい」、「取引先の評価が属人化している」など課題を抱えてはいませんか?
複数の企業レポートを活用した「取引先評価」と「与信管理体制」
日経テレコンには企業分析や与信管理に役立つコンテンツが多数収録されています。「企業検索」メニューで複数の企業データベースを横断検索することで、企業分析に必要な決算や財務情報、最新の評点やリスク格付、倒産確率などをチェックできます。今回は取引先の与信管理に特に役立つ6つのデータベースを利用した与信管理の体制づくりにお役立ていただく活用法をご紹介します。(「企業検索」メニューの利用法はこちら)
与信管理の体制づくりに特に役立つデータベース | |
●東京商工リサーチ企業情報 ●帝国データバンク企業情報 ●クレディセイフ企業情報 ●金融工学研究所企業リスク情報 ※この表は、日経テレコンに収録されている企業データベースの表記を一覧するためのもので、評価基準の相関関係を表したものではありません。 |
【STEP1】社内評価マトリックスを作成する
各企業レポートによって、評点やリスク格付は評価方法が異なります。そこで、以下の表のように評点や格付に対応する社内評価マトリックスを設定します。
調査した企業の各評点・企業評価・リスク格付を社内評価マトリックスにあてはめ、それぞれの調査点数の平均を算出します。この平均点を当該企業の調査点数とします。
【STEP2】算出した調査点数に応じた稟議基準を策定する
次に、算出した調査点数に応じた社内の稟議基準を設定します。具体的には以下のような表を作成し、評価点数によって決済のレベルを変える仕組みとします。
STEP1の例で調査点数が2.2となったある企業の場合、以下の社内稟議基準にあてはめると「取引金額500万円未満であれば営業部長決済」、「500万円以上2000万円未満であれば管理部長審議、営業役員決済」、「取引金額2000万円以上なら管理部長審議、社長決裁」と判断することができます。取引先のリスクを管理したうえで、効率的な企業活動を行うことができ、社内稟議のスピードアップにもつながります。
企業活動が活発化し取引先が拡大していく場合、この基準を緩和して対応することが考えられます。ただし、あくまで複数レポートによる調査は継続することが肝要です。少ないソースで評価することは、評価に偏りが生じるリスクがあるためです。
さらに詳しく「取引先評価」と「与信管理の体制づくり」について知りたい方へ
与信管理をする上で大切な2本柱「取引先の評価方法」と「管理体制づくり」について詳しく解説する「企業分析ハンドブック」をご用意しました。
与信管理の体制づくりだけでなく、ポストコロナでの倒産動向を分析した解説記事や、日経テレコンに収録されている各データベースの活用法など、企業分析がはじめての方にもわかりやすい実践的な内容となっています。 |
企業の評価・格付の変化をいち早くキャッチ「格付変更通知メール」
「格付変更通知メール」とは、「金融工学研究所企業リスク情報」「AGS企業リスク格付」「リスクモンスター企業リスク格付」であらかじめ登録した企業について、評価や格付が変更になった場合に、メールでその旨を通知する機能です。
継続的にウォッチしたい特定企業を登録しておけば、取引のリスクやチャンスをいち早くキャッチできます。 定点観測をされている取引先など、この機会にどうぞご登録ください。※評価・格付は企業情報の本文を確認する必要があります。 (「格付変更通知メール」についての過去記事はこちら) |
信用リスクマネジメントの強化ツールとして、日経テレコンをご活用ください。