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第11回 小山町の災害対応

2016年11月静岡新聞掲載広告から転載

効果的な災害対応を表す指標

効果的な災害対応は5つの要素で評価できる(図1)。この中で、「災害対応の教訓の活用力」は、熊本県内の行政職員が2011年東日本大震災の被災地支援から得た教訓を、2016年熊本地震で利活用できたか否かである。この教訓を十分に利活用できた市町村の災害対応は円滑であった。
例えば、熊本県西原村のある職員は、東日本大震災で東松島市に応援に入った。「もともとはみなし仮設住宅の役割。支援の中で他の人と話をすることもあり、他のセクションとの関連を学んだ。災害対策本部と現場の両者を積極的に見るようにした」という。 しかし、東日本大震災で被災地支援した行政職員であっても単に現場で限られた作業を指示通りにこなすだけでは、熊本地震ではほとんど活かされていない。過去の災害対応の推移を俯瞰できる教訓を得ることで、災害時の冷静な判断と先を見通した先手の対応ができるようになる。

熊本地震に派遣された職員が学ぶこと

熊本地震の応援に小山町の職員も派遣されている。「静岡新聞データベースplus日経テレコン」によると、渡辺悦郎町議が災害ボランティアとして、熊本県益城町、南阿蘇村でがれきの撤去、ボランティアセンターの運営支援などの活動をした。また、危機管理監ら職員6人は飲料水を熊本県に届けた。そして健康増進課の保健師、町長戦略課の副主任、建設課の主事が住宅被害の認定や罹災証明の発行、被災者の健康管理などの業務を支援した。
小山町にとっては、熊本地震は実際の災害対応を学ぶ現場であり、この機会に多くの教訓を得る必要がある。単に、単純作業を行うだけではなく、行政機能全体の運営を学ぶべきである。そうでないと活用できる教訓として小山町に持ち帰れない。
熊本の被災地で余裕がある時には、庁舎全体を見て回り、どこでどのような対応が行われているのか、各種情報はどのように収集・管理され、災害対策本部の意思決定につながっているのか、災害対策本部はどのように運営され、職員への指示命令はどのように行われているのかなどを学んでほしい。市町村への応援であれば、他自治体、熊本県や国からの応援職員の利活用方法も学ぶべきである。これは図1における受援力を高めることにつながる。

抜き打ち職員参集訓練

図1の指標の中に「事前の教育・訓練」があるが、込山町長は「訓練に勝るものはなし」との考えで、「早朝、抜き打ち職員参集訓練」を実施するなど、訓練への意識は高い。抜き打ち訓練は、事前に職員には連絡をしないで、町長が朝5時に職員に電話をして召集をかけたもの。「招集がどうなるかね?どういう形で集まってくるのか?」「夜やりたかったんだけど。夜はみんなお酒を飲んじゃっているから。酔っ払い運転で来られても困る」と込山町長は言う。その結果、「集まりましたよ。大したもんですよ、みんな。」

災害対策本部のデュアル化

  • 込山正秀小山町長とのインタビューの様子

込山町長は、「僕は災害(台風9号、2010年9月)の半年後に町長になったんですよ。地震が起きて、橋が落橋した場合、役場に職員は来られない。大雨で国道246が止まると県道が迂回路になる。県道に車が沢山来ちゃって、もう渋滞。そんな事があると言う事で、文化会館に防災対策本部を置きました。役場と両方できるようにしました。」
このような状況を想像し、災害対策本部を二重に設置した判断と行動力は評価できる。次のステップは、情報共有、職員への指示命令系統などを確立し「組織内のコミュニケーション」をどのように高めるのかが課題である。これは防災プロセスの観点では、災害対応工程を事前に可視化することで解決できる。

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