株式会社TORICO様
与信管理やコンプライアンス
チェックを大幅に効率化
IPOに向けた業務体制・
ルール構築に貢献
導入サービス:日経テレコン
「世界を虜にする」をビジョンに掲げ、「漫画全巻ドットコム」などマンガを軸にした事業を展開している株式会社TORICO様。多角的なビジネスで海外にも進出し、2022年春には上場を果たした。IPOの準備に向けて導入された日経テレコンは、同社の与信管理やコンプライアンスチェックの業務フロー確立に大きく貢献している。
企業プロフィール
会社名 | 株式会社TORICO |
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本社所在地 | 東京都千代田区飯田橋2-3-6 |
設立 | 2005年7月 | 代表者 | 代表取締役 安藤 拓郎 |
従業員数 | 169名(2022年3月末現在) |
事業内容 | Eコマース、メディアデジタル、イベント、漫画出版、書店運営 |
URL | https://www.torico-corp.com/ |
導入のきっかけ
上場と取引先増加への対応が課題。採用理由は総合力と信頼性
株式会社TORICO
管理本部 管理部 人事総務課 課長
難波 竜矢 氏
1つの漫画作品を1巻から最終巻からまとめて買えるECサービス「漫画全巻ドットコム」が、2006年の立ち上げ以来、話題を集めて爆発的にヒット。同サービスにけん引される形で、株式会社TORICOは順調に成長を続けてきた。2016年にはコミック配信アプリ「スキマ」やイベント「マンガ展」をスタート。いよいよ上場を意識する段階を迎えていた。
課題は2つ。1つは、IPOに向けてコーポレートガバナンスの強化が求められていたこと。同社管理部 人事総務課 課長の難波竜矢氏は「与信管理やコンプライアンスチェックに関して明確な体制は確立されていませんでした。社内にIPOを経験した人間は少なく、コンサルタントの方にアドバイスをいただきながらチェック体制などの確認を重点的に行いました」と話す。
もう1つの課題は、これまでの取引先は出版社や取次先などのマンガ関連が中心だったが、多彩な事業展開に伴ってステークホルダーも急増したこと。「他業種とのコラボが増え、アニメやドラマといったエンタメ関連、グッズ製作、ポイントサービスなど今までお付き合いのなかった企業との取引も増加していました」と語る。
日経テレコンを導入したのは2019年10月。与信管理やコンプライアンスチェック等に利用するツールをIPOコンサルタントから紹介され、複数の候補の中から日経テレコンを採用した。決め手になったのは、様々な情報を活用できるプラットフォームとしての総合力と、運営元である日本経済新聞社への信頼が大きかったという。
同社は2022年3月、東京証券取引所マザーズに上場(同年4月に東証の市場区分の見直しに伴って東証グロースへと移行)。その後も日経テレコンを活用し続けている。
活用方法
1つのツールで与信管理とコンプライアンスチェックを実現
難波氏が担当しているのは同社のバックオフィス業務の中でも、採用業務、人事制度、IR、全社イベント運営など。管理部の重要な業務として任されているのが、新規取引先の与信管理とコンプライアンスチェックだ。
与信管理業務では、営業などの担当部署で新規に取引を進めたい相手先が発生すると、所定の申請書を担当部署から管理部に提出。申請書を元に難波氏が日経テレコンを使って各種のチェックを実施する。チェック結果を上司が決裁し、取引可と判断されれば契約書などを締結する手続きに入る。
日経テレコンで主に利用するメニューは「企業検索」。当該企業の財務状況などの情報を詳しく調べ与信管理の判断材料に用いる。約50種類ある企業データベースの中で利用が多いのは【帝国データバンク】【東京商工リサーチ】だという。
「基本情報や財務状況のほか、評点を判断の参考にしています」と難波氏。評点は、企業が健全な経営活動を行っているか、支払能力があるか、安全な取引ができるかなど様々な観点から評価し点数化した指標だ。
コンプライアンスチェックには「記事検索」のメニューを活用。全国紙や各地の新聞、業界ごとの専門紙やビジネス誌など500超のメディアをカバーしたデータベースから検索が可能で、「新聞メディアを中心に検索し、キーワードを設定して絞り込むようにしています」と難波氏は説明する。
また、「記事検索」はコンプライアンスチェック以外の業務でも役立てている。上場後新たに取り組んでいるのがIRに関する情報収集。自社情報を中心に記事をクリッピングしており、毎朝の確認が業務となっている。
導入の効果
日経テレコンを軸としたチェックフローを確立
同社は以前より取引先の与信管理やコンプライアンスチェックを実施していたものの、その体制は不十分だったという。「チェックと言ってもインターネット検索だったりして、ちゃんとしたツールを使っていない場合も多かった。そのフローをIPOに向けて徐々に確立していきました」と、難波氏は振り返る。
「新しい業務ルールを作るにあたり、チェックフローのどこに日経テレコンを挟むかという点を軸に議論を進めることができた」との言葉の通り、日経テレコンの導入検討とルール策定とはどちらが先というよりも同時並行で進めた。
取引先の評価申請書や判断を行うための各種フォーマットもルールに基づく同社独自のものを策定。与信管理とコンプライアンスチェックがシステマティックに実行できるようになっている。
1社のチェックに要する時間は速い場合は約5分。感覚的には従来の3分の1程度の時間で済んでいるという。過去記事を含むピンポイントな検索結果や企業情報が得られるのはもちろん、与信管理とコンプライアンスチェックが1つのプラットフォーム内で完結することによって工数が大幅に減ったのが要因だという。
既存の取引先の状況についても同社では定期的に一括チェックを行っている。2021年の取引先数は約700社で上場後はさらに増えており、難波さんが一人でチェックを行っていては他の業務に影響が出る。そこで利用しているのが検索作業のアウトソーシングだ。
全取引先のコンプライアンスチェックは、数が多いほど作業時間や担当者の負担が膨大になる。日経テレコンの販売代理店による全取引先の検索を代行するサービスを利用することで大幅な効率化へとつながった。
【Before】日経テレコンの導入前
- (1)与信管理やコンプライアンスチェックの体制が不十分
- (2)インターネット検索が中心で手間がかかるチェック業務
【After】日経テレコンの導入後
- (1)日経テレコンを軸とするチェックフローを確立
- (2)1社のチェックに最短5分、時間を約3分の1に短縮
今後の展望・期待すること
IPO準備にアドバンテージ。広報・IR分野でもさらに活用したい意向
日経テレコンの機能は与信管理とコンプライアンスチェックにおいて存分に発揮されている、と難波氏。「現在のチェックフローで運用を始めて以降、困ったことは今のところありません。検索で無用な情報ばかりが入ってくるといったことも少なく、必要な情報を必要な分だけしっかりと入手できている状態です」と評価する。
「IPOを目指す企業にとって、日経テレコンは早いタイミングで導入すべきツールだと思います。プラットフォームとしてのアドバンテージは大きく、もっと早期に当社も導入していれば準備のもっと早い段階から効率化できていたかもしれません」
当初は想定していなかった日経テレコンの用途が、記事のクリッピングだ。管理部ではIRや広報業務の一部も担当しており、最近になって記事クリッピングの便利さに気づいたそうだ。自社に関する記事のメディア掲載や投資家の動きなどを注視していきたいという。
難波氏は「社長のメディア取材の機会が増え、IRや広報の活動を強化していきたいと考えています。そのため管理部の増員も予定しています。情報収集活動の強化のため、日経テレコンのクリッピングはもっと使いこなせるはず。今後は業界関連や海外のニュースにも情報収集の幅を広げていけたら」と展望を語る。
2022年には台湾に続きシンガポールでも現地法人を設立、現地店舗の早期オープンが目標だ。現時点では日系企業との取引先がほとんどを占め、与信管理においては現在のフローで十分に対応できているが「今後現地の法人と大きな取引が発生する場合に備え、さらなるルールの整備が将来の課題」と難波氏は語る。英字の社名に込められたビジネスの世界展開の目標に向け、日経テレコンには引き続きビジネスを支える土台であってほしいと希望されている。
株式会社TORICO様のご利用サービス
日本最大級の会員制ビジネスデータベースサービス 日経テレコン
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