エステー株式会社様

User's Voice

迅速・確実な情報共有化で

スピード経営を加速。

「空気をかえよう」をスローガンに、衣料用防虫剤の「ムシューダ」や除湿剤「ドライペット」、芳香消臭剤「消臭力」など数々のヒット商品を送り出しているエステー株式会社。社会のニーズに迅速に応えるために、同社が強く推進するのが「スピード経営」だ。その基盤となる情報収集・共有化を強化するために2019年4月、日本経済新聞社が開発・販売する法人向け情報サービス「日経スマートクリップ」を導入した。その効果について上月洋常務執行役と野口優広報部長に聞いた。

導入
サービス
日経スマートクリップ plus
会社名 エステー株式会社 (英文社名:S.T. CORPORATION)
所在地 東京都新宿区下落合1-4-10
設立 1948年8月31日
従業員数 連結 859名 / 単体 441名 (パートタイマー・嘱託を除く)(2023年3月31日現在)
事業内容 生活日用品事業
サイトURL https://www.st-c.co.jp/

導入のきっかけと効果

朝7時30分、通勤中に記事を配信

――スマートクリップ導入の経緯とその狙いを教えてください

【上月氏】 当社は、経済情勢や消費動向の目まぐるしい変化に対応するために、迅速な意思決定と現場判断の重視、会議の効率化などに取り組む「スピード経営」を推し進めています。そのベースとなるのが正確な情報収集と共有化です。そこで2019年4月から、まず役員のみを対象としてスマートクリップを導入しました。

【野口氏】 以前は、毎朝10紙から12紙を広報部で確認し、必要と思われる記事を選んで役員に速報として流していました。役員は個人で日経新聞を購読しているので、切り抜きコピーなどは行わず「この記事を確認してください。この新聞にこういう記事が掲載されているのでチェックしてください」といったリポートです。それでも「自社関連」や「競合企業」「業界」「素材」等のキーワードを含む記事、「ESG(環境・社会・企業統治)」など経営判断に必要な中長期的テーマに沿った記事をピックアップするのにおおよそ2〜3時間はかかっていました。そのためリポートが役員の手に届く頃にはすでにその日の活動が始まっていて、迅速な情報共有という観点で大きなネックとなっていました。

事業統括部門担当 兼 コーポレート
コミュニケーション部門担当 兼
EC事業本部担当 常務執行役
上月 洋氏

――導入後、御社の情報配信・共有化はどう変化したのでしょうか。

【野口氏】 まず、情報配信までのスピードが飛躍的に向上しました。毎朝、通勤中の7時18分ごろに私のスマホに記事が配信されるので、電車の中で内容を確認し、50件ほどの記事からこれだけは確認してほしいという10件程度をピックアップします。あらかじめ設定したテーマ、キーワードに沿った記事が配信されるので、あとは精査してセレクトするだけ。だいたい7時30分過ぎには電車の中から一斉メールで配信します。その時間なら読み手も通勤中に情報収集できるため、時間を有効利用できます。
広報部の立場でいえば、見出しだけでは必ずしも重要な記事かどうかは判断できませんから、あらかじめキーワードに沿って記事をピックアップしてもらえることがとても大きいですね。以前は緊張感をもってすべての記事に目を通し、キーワードを見逃さないことに相当労力を払っていました。現在は「自社」「競合企業」「素材」「事業分野」「時事」「IR」などのテーマを選び、キーワードを設定するだけ。経営層から「こういうことを調べている。興味がある」という話をもらえば、キーワードを追加して関連記事を簡単にピックアップできます。情報配信までのスピードアップとともに、広報部の業務も大幅に短縮化ができました。

【上月氏】 私は典型的な朝方人間で、毎朝4時半には新聞を広げます。とはいえしっかり目を通すのは日経本紙と日経MJまで。日経産業新聞や業界紙まではとても目が行き届きません。ですので、業界紙の情報までカバーしてくれる広報部のリポートはとてもありがたいと思っていました。しかし、毎日10紙以上をチェックするとなると、どうしても漏れが生じます。スマートクリップ導入以後はその情報漏れがなくなり、かつ朝一番に記事そのものが配信されるため、始業時には役員全員が同じ記事を確実に共有しているという状態になっています。

導入のメリット

情報共有でコミュニケーションが円滑に

コーポレートコミュニケーション部門
広報部 部長
野口 優氏

――情報が確実に共有されているメリットとは?

【上月氏】 私は営業本部長を務めている頃から日経電子版で地域版を読むのが好きなのですが、地域版の記事だと、役員全員が読んでいるとは限りません。広報部のリポートも朝一番には届いていなかったので、以前はある記事を前提に話をして、ああまだ読んでいなかったのだと、記事の説明からやり直すことがしばしばありました。現在はそんなことはありません。毎週役員会を開いていますが、重要記事は全員が共有していますから議論も各論からスタートできます。情報の共有化は会議の効率化、時短に大きく寄与しています。

【野口氏】 役員への配信を通して、情報の共有化が迅速な判断につながることが分かりましたので、20年4月から、スマートクリップの配信を部長職級、約100人まで広げました。役員が持っている情報を管理職も共有することで、情報伝達、指示をより円滑化することが狙いです。管理職にとって重要な販売店様関連の情報をキーワードに加え、海外のメンバーにも送付しています。

【上月氏】 情報を共有しているため、コミュニケーションがより円滑になりました。たとえば私はR&D関連情報については詳しくチェックしていませんが、ある日スマートクリップに素材に関する記事がピックアップされていました。少し興味を持ったので、R&D関連の部長に聞いてみたところ、もちろん部長もその記事を読んでいて、さらに自分で調べて深掘りしていたらしく、「その素材の特徴はこうで、自社製品とはこうした関係性がある。当社の見解としてはこうですよ」と詳しく解説してくれました。記事が出たその日の午前中の話です。情報共有の有効性とそのスピード感を実感した出来事でした。

【野口氏】 管理職ともなれば、それぞれ自分なりの情報収集を心がけていますが、限られた時間ではどうしても自分の領域だけを掘り下げることになりがちです。そこでスマートクリップの「ピックアップ機能」を利用して、重要な記事は必ず全員に目を通すようにしてもらっています。自分の管轄以外の情報や社会の重要な動きについて、役員と同時に同じ情報を共有しているため、役員からの指示伝達や部長間のコミュニケーションも、以前とは比較できないほどスムーズになりました。

活用事例と今後の展望

テレワーク時代にこそ力を発揮するサービス

テレワーク時代にこそ力を

発揮するサービス

――スマートクリップのログ解析はどのように活用されているのでしょう。

【野口氏】 毎月、営業担当者から、管理者画面から出力したログを集計して提供していただいています。4月は約100人に対象を広げたので、まずはログからきちんと利用されているかの確認を行いました。IT(情報技術)スキルに個人差がありますので、初期設定でつまずく方もおられます。閲覧ゼロの人には初期設定がきちんとできているかを確認し、利用を促しました。現在はどんなテーマ、キーワードに興味を持っているかを分析し、より効果的な情報配信の在り方を考える材料にしています。読み手の興味や関心を把握できるのはスマートクリップの大きな利点です。私が面白いと感じたのは自社関連記事にあまり興味が持たれていないことでした。すでに知っている情報だからなのでしょうが、新聞記事から自社の立ち位置を知ってもらいたいという意図から選んでいたので、少し意外に感じたものです。

――今後のスマートクリップの活用方法について教えてください。

【上月氏】 現在のところサービスに不満はなく、しばらくは役員、部長級の管理職への配信という運用を続ける予定です。期待したいのは社員教育や意識改革の一環につながっていくこと。キーワードに「働き方改革」や「気候変動」「女性活躍」などを設定し、関連記事をピックアップすることで、社会の大きな動きや未来について全員が情報を共有し、考えるきっかけになると思います。また、新型コロナで一気に進んだテレワーク環境でも、これまでと同じように情報を共有できることはとても重要です。さすがに「あの記事見たか?」と確認するためだけに電話するわけにはいきません。

【野口氏】 新型コロナ以前の19年4月に導入していて本当に助かりました。クリッピングを行おうにも、出社しなければ紙面を確認することさえできません。スマートクリップを導入していなければ、新聞記事を確認するためだけに出社していたかもしれません。社員もそれぞれ情報収集に努めたでしょうが、業界紙まで個人で購読している人は少数派です。スマートクリップ導入以前はオフィスに出てこなければ得られない情報が多かったのです。当社では在宅勤務を推奨し、現在5割程度で実施しておりますが、自宅でもオフィスと同じ情報を得られます。スマートクリップはテレワークの時代にこそ力を発揮するサービスだと実感しています。

ご利用企業様
成功事例

エステー株式会社様

サービス導入前

迅速かつ正確な情報共有ができていない

記事のピックアップに2〜3時間かかるため社内への共有が遅れる
キーワードの見逃しに注意しながら、全ての記事の目を通すことは多大な労力を要する

サービス導入後

朝一配信でスピード経営を加速

朝7時30分、通勤中に記事を配信
テレワーク環境でも、これまでと同じように情報共有が可能